
最近やたらとTポイントの加盟店が増えた気がしています。
昔はTUTAYAだけだったのが、ENEOS、ファミリーマート、最近だと吉野家まで。
当然共通のポイントが溜まるということを集客に使うというのが売りですが、最近参入する企業の目的はちょっと違いそうです。
ビッグデータの高まりで、データを収集することのニーズは年々増しています。
ところが、吉野家のようなファーストフード店で顧客情報を収集するというのはなかなか難しい状況でした。
もう少し客単価が高い業種では個別のポイントカードなどを使って顧客情報を収集しますが、吉野家で食べるお客様は急いでいるので、割引サービスによる集客という意味では個別のクーポンや割引券でのほうが効果が高かったのだと思います。
ところがここにきてTポイント。
いろいろ調べてみると、昨年末の個人情報の第三者提供への規約変更が関連していそうです。 ※個人情報の第三者提供について
これは、Tポイントの利用履歴を個人情報と属性・傾向などを分析する利用履歴情報に分割し、利用履歴情報を提携先に提供するというものです。
提携先では、顧客情報を一切収集することなくマーケティング情報を得ることができるので、コンビニやファーストフード店等のように優良顧客であってもなかなか顧客情報を取り込めない業種のお店でも顧客情報分析が可能となります。
消費者は、Tポイントという共通ポイントを得ていると同時に、Tポイントグループに自分の属性情報から得られる仮想人格の情報を提供していることになります。当然個別の企業やお店に対しては今までも個別のポイントカードを通じてその情報を提供していたので、その範囲が広がることによって得られるメリットも大きくなりますが、一方でその店には初めて入るのに既にある人格を想定して対応されるということもあり得ます。つまり、これまでは各会社・店舗に対して自分のアイデンティティを主張すれば良かったものが、実はグループ全体に主張していることになります。
今後機械学習や人工知能の高まりで、これらのデータを基にした対応の良し悪しは、直接的に消費者が得るサービスの良し悪しに直結するようになるでしょう。このため、消費者はこれを避け続けてもより良いサービスを受けることができません。
消費者は、これらの個人情報をどの店に提供するか選ぶ時代から、どのグループに提供するかを意識する必要があります。どのように提供するかを意識してコントロールすることで良いサービスを得ることができる時代になっていくと思います。
ただ、私は会社によって若干求めるものが違うことが多いですが、その会社が同じグループにいる場合どうなるんでしょう。
人工知能には2重人格者として認識されるのでしょうか??
いろいろ楽しみです。