中小企業のIT基盤をどのように作っていくかというのは難しい問題だ。
基本的には大きな資本を潤沢に持っていない限り、費用を第一優先で考えざるを得ない。
現状、中小企業が最も安価に高機能なIT基盤を作成するのに適しているのは
GoogleAppsであろう。
かく言う私も、つい数か月前までは、GoogleAppsで基盤を構築することに
何のためらいもなかったし、そのメリットを十分に享受してきた。
しかし、先日のGoogleAppsの課金方式の変更を聞いて、考えが大きく変わっている。
もちろん課金方式が変わることに関しては何の問題もないと思うし、
当然の論理である。ただ、その当たり前のことに驚いてしまった自分がいた。
驚いたことは、Googleという一企業に何故か知らず知らず絶大な信頼を
抱いていてしまったことだ。
Googleはただの一企業なのだから、たとえば次のようなことをしても自由なのである。
・GoogleAppsの実行基盤を提供するのをやめる。
・GoogleAppsのSDK互換性を無くし、以前のバージョンでは動作しない実行基盤にする。
・サポートする言語を変える。
・サポートする外部連携を変える。
どれも当たり前にありうることなのだが、GoogleAppsに基盤を移して資産を開発してしまうと、
甚大な影響を受ける。(もちろん実際はマイグレーションパスが示されるであろうが)
基盤をすべてGoogleAppsに移した中小企業にそのリスクが負えるだろうか。
そして、そのリスクをヘッジする方法は、Googleを信じることしかない。
もちろんGoogleAppsはすばらしいサービスだと思うが、そのリスクは大きすぎると思う。
私の解は現状は以下のように考えているが、また変わるかもしれない。
HW → クラウド(IAAS)
運用 → クラウド(IAAS)
SW → 購入PKG + オープンソースの組み合わせ+自社ソフト資産
自社システム → マッシュアップポータル
HW,運用はすでに多くの企業がIAASを提供していて、そのサービスはいわゆる標準化
されているので、一企業のリスクに依存しないという意味で、クラウドが最善と思う。
SWは、元に戻ってしまうが、自社システムとしてはそれらをマッシュアップ(組み合わせる)
手法を標準化できないか検討したい。 そこを企業依存しないかたちで提供できれば、
中小企業のIT基盤へのリスクを最小化できるのではないかと思う。